新型出生前診断と母体血清マーカーテストの違いとは?

何が違う?

妊婦さんが出産前に受けられる検査には、いくつかの種類があります。 例えば、新型出生前診断や母体血清マーカーテストなどです。
どちらも妊婦さんの血液から胎児の状態を調べることができますが、どのような違いがあるのかを知った上で、どの方法を選択するのか決めていく必要があります。
気になる母体への負担については、どちらも負担が少ない検査だと言えるでしょう。
大きな違いは調べられる病気の種類です。
母体血清マーカーテストはダウン症候群や18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性を調べることができます。
ダウン症候群は21番目の染色体が3本であると陽性反応が出ます。
知的、運動能力の発達に遅れが見られる傾向にあり、病気にかかりやすく、心臓、内臓関連の病気を合併する可能性が高いです。
18トリソミーは18番目の染色体が3本あることで生じます。
心臓の形状に変化があり、生まれてくる前から目立った発達の遅れがあります。
開放性神経管奇形は通常、妊娠初期に形成される赤ちゃんの神経管がない状態です。

病気以外の違い

新型出生前診断はダウン症候群や18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べることができます。
13トリソミーとは13番目の染色体によって引き起こされる病態です。
前脳や中顔面、眼の発育異常、重度の知的障害、心臓の異常などの可能性を知ることができます。
病気の種類だけでなく、精度にも違いがあります。
新型出生前診断は99パーセントと精度が高いですが、母体血清マーカーでは感度が80パーセントです。
より正確に染色体疾患を発見するために、精度の高い新型出生前診断を選ぶ人も少なくありません。
このように2つの検査には違いがありますが、新型出生前診断は妊婦さんの年齢が上がっていくにつれて発生率が高くなる3つのトリソミーが対象となるため、高齢出産の場合などは新型出生前診断を受ける人が多い傾向にあります。
どちらの選択が正しいかは一概には言えません。
それぞれの特徴をよく理解した上で決断することが大切です。
パートナーや家族と話し合い、後悔しない決断をしましょう。